大腸菌を用いて、目的のタンパク質を大量に発現させる操作です。目的タンパク質の遺伝子をプラスミドに組み込み、大腸菌に導入します。その組み替え大腸菌を、栄養素を含んだ培地に植え、増殖させます。これにより、目的タンパク質を大量発現させることができます。最後に、培養液を遠心機にかけ、集菌を行います。
発現させた多種類のタンパク質から目的のタンパク質のみを得る操作です。集菌した大腸菌を機器で破砕し、タンパク質を含んだ破砕溶液を、樹脂を充填したカラムに通します。各タンパク質の分子サイズ、性質などで分離します。溶出した画分のうち、目的タンパク質の純度が高い区分を電気泳動で確認し、回収・濃縮を行います。
精製したタンパク質溶液を結晶にしていく操作です。主に蒸気拡散法を用いてます。タンパク質溶液と塩類、沈殿剤(タンパク質の凝集・沈殿を促す物質)を混合します。蒸気平衡を利用して溶媒を蒸発させ、タンパク質の溶解度を下げることで、結晶が析出します。使用する沈殿剤、添加剤の濃度、また緩衝液のpHなど、様々な条件がタンパク質の結晶化に影響します。
X線を用いてタンパク質の結晶構造を明らかにします。作製したタンパク質の結晶を放射光施設に持っていきます。そこで結晶に強力なX線を照射することで、質の良い回折データ(構造解析に必要)を収集することができます。構造解析専用のソフトウェアを用いて得られたデータを処理・構造解析を行い、タンパク質の構造を決定します。
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